最近、新幹線は禁煙車の方が混んでいる。そういう俺も禁煙車の愛用者だが。
さて冬のある日、出張で朝の上りひかり号に乗車した時のこと。
新幹線は超満席で、デッキに立客もいる。俺は指定席の二人がけ通路側D席に座って居たのだが、後ろの方で「足がじゃまだよ」「パソコン打てねえじゃねえか」「すみません」「オギャー」「デッキ行けよ、馬鹿」
ふと、後ろを振り向くと、窓際の席に座った子連れのママが、隣に座っている若いリーマンに文句を言われていた。
あまりの言われように、「ちょっと兄さん、赤ちゃんが泣くのは、当たり前だろ、あんたの方がうるさいよ」と俺は強面に言った。
「だけどよぉ、このガキの足が邪魔なんだよ」
確かに、男の膝の上にはノートパソコン。
気持ちは分からないでもない。
若い丸顔のお母さんは、1歳ぐらいのむずがる女の子を抱えてうつむいている。
「じゃあ兄さん、俺代わってやるよ。俺は東京着くまですることないし」
「本当っすか」
若いリーマンは荷物をまとめると、俺と席を替わった。
「すみません、ありがとうございます」
「いえいえ、自分も子持ちだから分かりますよ。赤ちゃん、こんにちは」
赤ちゃんの機嫌が多少良くなった。
話を聞いてみると、単身赴任しているご主人がなかなか帰ってこないので任.....続きはこちら→
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